アメリカで「痔の治療」を受けるなんて、最初はとても不安でした。
言葉の壁もあるし、どんな流れで、どれくらい痛いのかも想像がつきませんでした。
しかし、日本での便潜血検査が陽性となり、大腸カメラを受けた結果「いぼ痔(内痔核)」と診断。
医師から勧められた“rubber band ligation(ゴム結紮術)”を受けることにしました。
今回は、アメリカでゴム結紮術を受けた体験談と、英語でのやりとり、受ける前に知りたいポイントを紹介します。
受診のきっかけと症状

一時帰国の間に日本で健康診断を受けたところ、便潜血検査が陽性という結果がアメリカに戻ってきてから来ました。
そのため、アメリカで大腸カメラ検査を受けることに…。
アメリカで大腸カメラを受けたことを書いた記事もあるので、気になる方はそちらも読んでいただけると嬉しいです!
そこで、いぼ痔(内痔核)を指摘されました。

英語では『hemorrhoids』と言います。
実は小学校の頃、お腹が痛くて救急病院に行ったところ、便秘のせいだったという経験がある私…。
元々便秘傾向なんです。
2年以上前から、排便時にぺーパーに出血が付いていることはほぼ毎回。
痔だろうと、放置していましたが、人間ドッグで便潜血が陽性と結果が出たときは、結構不安になりました。

痔ではなかったら?というのが頭によぎりました。
でも今回、大腸カメラをアメリカで受けることができ、癌ではなく、おそらく出血原因は痔だったと判明しました。

大きな病気ではなかったことには安心しました。
そしてその時に、医師から“rubber band ligation”という、日本でいう『ゴム結紮術』を勧められました。
アメリカでの診察の流れと英語表現

私の場合は、大腸カメラの結果説明の受診の際に、ゴム結紮術について説明されました。
そして、次の予約でゴム結紮術を行うことになりました。
下記に診察でよく使われる英語について書くので、良ければ参考にしてください。
初診でよく使われる英単語
初診では、受付や問診で基本的な単語を使うことが多いです。
いくつか覚えておくだけでも、やりとりがぐっとスムーズになります。
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appointment(予約)
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insurance card(保険証)
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check-in / check-out(受付・会計)
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symptoms(症状)
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bowel movement(排便)
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bleeding(出血)
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pain(痛み)
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itching(かゆみ)
受付では「Do you have an appointment?(予約はありますか?)」と聞かれるので、
「Yes, I have an appointment at 10:00.(10時に予約しています)」と答えれば大丈夫です。
治療説明で出てきた英語(ligation, hemorrhoid, anesthesia など)
治療の説明では、少し専門的な単語が出てきます。
初めて聞くと難しく感じますが、意味を知っておくと安心です。
| 英単語 | 意味 | 補足説明 |
|---|---|---|
| hemorrhoid | 痔核(いぼ痔) | 病名としてよく使われます。 “internal hemorrhoid”(内痔)、 “external hemorrhoid”(外痔) |
| ligation | 結紮(けっさつ) | ゴムや糸でしばること。 rubber band ligation = ゴム結紮術 |
| anesthesia | 麻酔 | rubber band ligation では局所麻酔ジェル(lidocaine gel)が使われることが多い |
| band | ゴム輪 | 痔の根元を締める小さな輪ゴムのようなもの |
| rectum / anus | 直腸 / 肛門 | anatomical(解剖学的)な説明でよく出てくる |
| follow-up | 再診 | 処置後に経過を確認する診察 |
説明の中でわからない単語が出ても、
“Could you please explain that in an easier way?”(もう少し簡単に説明してもらえますか?)
と聞けば、たいていの医師はわかりやすく言い換えてくれます。
ゴム結紮術とは?どんな処置か

内痔核のゴム結紮術とは、いぼ痔の根元をゴムでしばって血流を止め、自然にしぼんで取れるようにする治療です。
内痔核には、神経が通っておらず、ゴムで縛っても痛みはないため、麻酔なしで行うと説明されました。
引っ張られる感覚や、鈍痛がある人もいるそうですが、痛み止めで過ごせるとのことでした。
いぼの部分とゴムが自然に取れるのも、排便と共に取れることが多く、気づかない人が多いとか…。

そうはいっても本当に痛みはないの?
排便後に痛みが出るときの苦痛を考えると、本当に痛みが出ないのかが一番気になっていました。
ネットで経験談を検索していると、ほとんど痛みがなかった人もいましたが、時々痛かったと言う人も…。
内痔核より上の神経のある部分にゴムをかけてしまうと、痛みが出るそうです。

要は、医師の腕によるとのこと。
先生を信じるしかないと思い、当日を迎えました。
実際に受けた当日の流れ

処置前の準備は必要ありませんといわれました。
私は、処置後の痛みがわからなかったのと、肛門の処置ということで、シャワーを浴びてから行きました。

帰って寝るだけにすれば、もし痛くても楽かなと思いました。
部屋に通されると、いつもは繋がる通訳さんへのテレビ電話がつながらないというハプニングが…。

時間が遅く、通訳の方のお仕事の時間が終わってしまっていました。
それでも、通訳アプリを使って一生懸命に看護師がゴム結紮術について説明をしてくれました。
器具なども実際見せてくれ、身ぶり手ぶりでも説明してくれました。

とても親切で、心強かったです。
前回の説明の時には「麻酔なし」と言っていましたが、リドカインジェル(麻酔のジェル)は使うとのこと。
質問もいろいろして、納得したそのあと、同意書にサインを書きました。
言われた通りにズボンと下着を膝まで下ろした状態で処置台に左向きで寝転がりました。
医師が来て、処置が始まります。

緊張はしました。
息をふーっと吐くのを看護師もやってくれ、吐いたと同時にゆっくり器具を肛門に挿入されます。
器具が挿入されると看護師が「一番つらいところは終わったよ」みたいな感じで言ってくれていたと思います。
そのあとに、引っ張られる感覚がして『パチッ』と小さい音と共にちょっとチクッとしたような感覚。
痛みまでいかないけど、重たいような感覚が少しだけ。
「おわったよ~。痛い?大丈夫だね」
みたいな感じなことを言って、先生は去っていきました。
いつリドカインジェルを付けたのか、全然わかりませんでした。

本当に終わったの?くらいの感覚でした。
リドカインジェルが効いているなら、帰った後の痛みはどうかな?と心配していましたが、全く痛くありません。
稀に少しだけチクッとする感覚がある気もするけど、痛み止めは全く必要ありませんでした。

先生の腕に感謝しました!
術後の経過と注意点

ゴム結紮術を受けたその日の夜も、心配していた痛みはほぼありませんでした。
前述したように、稀に少しチクッとした感覚があったくらい。
翌日も1日に2、3回そのような感覚があったくらいで、昨日痔の治療をしたことなんて忘れるくらいでした。

あ、そういえば治療を受けたんだった!って思いました。
ゴム結紮術2日目以降は、チクッとした感覚すら全く感じなくなりました。
ただ、元々便秘傾向の私。
排便時、固い便が出たらさすがに痛みが出るのでは?と心配していました。

痛みが出ないかが、やっぱり心配でした。
水分も多めに摂るように心がけ、きのこやわかめなどの食物繊維も多く摂るようにしました。
でも、ゴム結紮術後2日経っても排便がなかったので、日本から持ってきていたマグミットを飲むことにしました。
マグミット内服後2日ほどでやっと排便が…。
普通便だったのもあって、排便時痛みも出血もありませんでした。
受けてよかったと思うこと

ゴム結紮術を受けてよかったと思うことは、排便時にいぼ痔が出てこなくなったことと、出血が減ったことです。
実は、あと2ついぼ痔があり、あと2回ゴム結紮術を受ける予定なんです。
まだ1つ目の治療しかしていないので、完全に出血はなくなっていませんが、少なくはなっている印象です。
また、治療が完全に終わったら追記していきたいと思います。
アメリカで受ける際のポイントとアドバイス

アメリカでゴム結紮術を受ける場合、日本とは少し異なる点があります。
ここでは、私が実際に体験して感じた注意点や、事前に知っておくと安心なポイントをまとめました。
事前の相談はしっかりと
ゴム結紮術は外来で行われる比較的簡単な処置です。
ただ、「どの痔を結紮するのか」や「痛みの程度」などを医師とよく確認しておくことが大切です。
英語では次のように聞いておくと安心です。
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“How many hemorrhoids will be treated today?”(今日は何か所治療しますか?)
-
“Will I feel any pain during or after the procedure?”(処置中や処置後に痛みはありますか?)
痛みに対する不安や、仕事・子育てとの両立を伝えておくと、処置のペースを調整してくれることもあります。

私の場合は、1つ治療したら3週間空けて、次の治療をするという感じでした。
処置後のスケジュールを空けておく
アメリカでは、ゴム結紮術は日帰りで短時間に行われます。
ただし、処置後に軽い違和感や圧迫感を感じることがあるため、当日はできるだけゆっくり過ごすのがおすすめです。
無理に運動や長時間の外出をせず、帰宅後はソファなどで休めるようにしておきましょう。
可能であれば、処置後1〜2日は大事な予定を入れない方が安心です。
痛み止めや便通の相談もしておく
多くのクリニックでは、痛み止めや下剤の処方がない場合もあります。
便が硬いと排便時に痛みや出血が起こることがあるため、「必要に応じて薬を使ってもよいか」確認しておきましょう。
英語での聞き方の例:
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“Should I take a stool softener after the procedure?”(処置後は便をやわらかくする薬を飲んだ方がいいですか?)
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“Can I take pain relievers if I feel discomfort?”(痛みがあるときに市販の痛み止めを飲んでもいいですか?)
術後の注意点をよく聞く
処置後は、ゴムが自然に外れるまで1週間ほどかかります。
出血や違和感が出たときの対応を確認しておくと安心です。
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強い痛みや大量の出血がある場合は、すぐにクリニックへ連絡する
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入浴・飲酒・運動の制限について指示を受ける
アメリカでは「自己判断で痛み止めを使う」人も多いですが、心配な場合は医師に確認しておくと安全です。
麻酔の使い方の違い
日本では、軽い鎮静剤(少し眠くなる薬)や局所麻酔を使うことが多いようです。
処置中にほとんど痛みを感じないように配慮される場合があります。
アメリカでは、外来で局所麻酔ジェル(lidocaine gel)を使うことが一般的です。
意識がある状態で短時間で処置が行われるため、「痛みは少ないけれど感覚はある」というケースが多いです。
処方やアフターケアの違い
日本では、処置後に坐薬や軟膏、整腸剤などが処方されることが多いです。
一方、アメリカでは「症状がなければ特に薬は出さない」という場合もあります。

私の場合も処方薬は全くありませんでした。
必要であれば市販薬を自分で購入するスタイルです。
また、便通を良くするために「水分を多くとるように」とだけ指示されます。
下剤(stool softener)は自分の判断で買って良いとされることもあります。
私も術後排便がなかったため、持参のマグミットを飲みました。
再診や経過観察の違い
日本では、数日〜1週間後に再診してもらうことが多いです。
アメリカでは「症状がなければ来なくてよい(follow-up as needed)」という方針のクリニックもあります。

私もフォローの受診はなかったです。
そのため、自分で経過を観察して、異常があれば連絡するという自己管理の要素がやや強いです。
費用と保険の違い
費用面では、日本の健康保険制度があるため、自己負担は比較的少なく済みます。
一方、アメリカでは保険プランによって負担額が大きく変わります。
自己負担が数百ドルかかる場合もあるため、事前に保険適用かどうかを確認しておくことが大切です。
アメリカで痔のゴム結紮術を受ける まとめ

アメリカでのゴム結紮術は、短時間で済む安全な治療です。
ただし、痛みや生活上の不安はしっかり伝えて、できる限り不安を取り除くことがとても大切です。
英語に自信がなくても、ゆっくり聞き返しながら進めれば問題ありません。
実際に体験してみて、「思っていたよりも怖くなかった」と感じました。
痛みもほとんどなく、長年悩んでいたことが改善されたことに驚きでした。
アメリカで治療を考えている方の参考になれば幸いです。


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