アメリカで病気やケガをしたとき、どこに連絡して、どの医療機関に行けばいいのか不安はありませんか？
アメリカの医療は日本と大きく異なります。
受診までの流れ・予約方法・費用の仕組み など、事前に知っておくと安心できるポイントがたくさんあります。
本記事では、私が実際に救急・インフルエンザ・歯科・大腸カメラ・いぼ痔治療などを受けた体験談と
アメリカで受診するときの流れ・注意点・準備しておくと安心なものをまとめました。
アメリカで受診予定の方、海外赴任・留学・駐在中の方、医療費や手続きが不安な方の参考になれば嬉しいです。
アメリカで病気・ケガをしたときの基本的な流れ
まずは『誰に連絡して、どこに行くか』の全体像を押さえておきましょう。
アメリカでは、日本のように「とりあえず近所の病院へ」はできません。
保険のネットワーク内で、自分で医療機関を選ぶ必要があります。
まずは保険証の裏面や保険会社サイトで、受診先と連絡先を確認しましょう。
緊急性が低い場合は、かかりつけ医（Primary Care）やUrgent Careに電話して予約を取ります。
そして、受付で保険カードと写真付きIDを提示、問診票に記入して診察を受けます。
診察後は薬局（Pharmacy）で処方薬を受け取り、自己負担分や後日届く請求書を支払うのが一般的な流れです。
命に関わる緊急時のみ、救急（ER）や911の利用を検討します。
かかりつけ医・緊急外来・救急（ER）の違いと使い分け
アメリカでは、症状に応じて「どこに行くか」を選ぶことがとても重要です。
かかりつけ医（Primary Care）は、風邪や慢性疾患の管理、健康診断など、基本的な診察の窓口で、原則予約制です。
夜間や週末の発熱・ケガなど「今日中に診てもらいたいが命の危険はなさそう」という場合は、Urgent Care（緊急外来）が対象。
一方、胸の痛み、呼吸困難、ひどい頭部外傷、大量出血など「生命に関わる可能性がある」場合はEmergency Room（ER）の出番。
私の住む街にはUrgent Care（緊急外来）はないので、緊急時はERに行きます。
必要なら911で救急車を呼びましょう。
医療費はかかりつけ医＜Urgent Care＜ERの順に高くなることが多いです。
軽症ほど下のレベルから相談するのが基本です。
医療機関予約時の注意点
アメリカの医療予約時の主な注意点は以下です。
- 保険の確認
- 予約方法の把握
- 事前準備
- キャンセル厳守
- 日本語対応の有無
1つずつ説明していきます。
保険の確認
予約前に病院のHPや電話で「自分の保険プランがIn-network（ネットワーク内）か」を必ずチェックしましょう。
使えないと全額自己負担になる可能性が高いので注意です。
予約方法の把握
電話・オンライン中心で、症状・保険情報（ID番号、Group No）、希望日時を伝えます。
Urgent Careの一部は予約不要ですが、オンライン予約が推奨です。
専門医に受診を希望する場合、Primary Careからの紹介が必要な場合が多いです。
事前準備
予約後もし問診フォームが届いたら、既往歴・家族病歴・アレルギーなどを記入していきましょう。
私のかかりつけ医は、到着後に紙をもらいました。
予約時間15-20分前に到着しておいた方が安心です。
また、Co-pay（自己負担金）の準備をしておきましょう。
キャンセル厳守
アメリカの医療機関は遅刻に厳しい場合が多いため、早めに到着すると安心です。
実際、私も遅刻してしまい予約を撮り直しになったことがあります。
受診が不要になった時は必ず連絡をしましょう！
日本語対応の有無
初診時は、通訳サービスや日本語医師の確認をしておくと安心です。
私たちの場合は、事前に伝えておけば夫の会社の通訳の方が電話通訳してくれます。
また、医療機関側がタブレットで翻訳してくれる人とアプリでテレビ電話をつないでくれることも多いです。
アメリカでインフルエンザにかかったときの体験談
2025年2月にアメリカでインフルエンザにかかった際、日本との違いに戸惑う場面が多くありました。
診察は当日中に受けられず、医療スタッフがマスクをしないまま対応されました。
私はちょっと不安を感じてしまいました。
検査結果の連絡も遅く、タミフルが町中で品切れになっており、隣町まで薬を取りに行くことに…。
さらに、解熱後24時間で登校可能という日本とは異なる基準や、子どもに避けるべき薬を勧められました。
アメリカでは、自分で情報を確認しながら身を守ることの大切さを実感した体験でした。
こちらでもっと詳しくアメリカでインフルエンザにかかった体験を紹介しています。
アメリカの歯医者にかかったときに驚いたこと・注意点
アメリカで初めて歯医者を受診した際、日本との違いに驚く点が多くありました。
まず、近所の歯医者は予約が1年後と言われ、結局隣町でも数か月待ち。
診察の流れ自体は日本と似ていましたが、歯石取りは手作業のガリガリ方式で驚きました。
私が日本で通っていた歯医者は電動だったので驚いてしまいました。
また、うがい台がなく、吸引器具のみで対応されるため、息子はちょっと辛そうでした。
さらに、2歳児の診察は歯を見るだけでクリーニングなしという簡易的なものでした。
アメリカでは医療機関ごとの差が大きく、価格も質もバラバラ。
口コミを調べたり、自分で歯医者を選ぶことが大切だと感じました。
興味のある方は、アメリカの歯医者体験をぜひ読んでみてくださいね♪
アメリカで大腸カメラ検査を受けた体験談
日本の人間ドックの結果をきっかけに、アメリカで大腸カメラを受けることになりました。
慣れない英語や医療システムに不安がありましたが、クリニックでは専門医につながるまでが想像よりスムーズでした。
検査前日は、ドラッグストアで購入した下剤を使い、透明な液体のみで過ごします。
自分で準備する部分が多かったです。
浣腸だけはちょっと辛かったですが、検査自体は鎮静剤で眠っている間に終了。
私の場合、痛みは感じませんでした。
ポリープ切除後の食事制限も日本よりシンプルで、当日帰宅できる点に驚きました。
言葉の壁や不安はありつつも、全体的にはスピーディーで負担の少ない検査でした。
当日の様子は「アメリカで大腸カメラを受けた日の体験」の記事でまとめています。
アメリカでいぼ痔のゴム結紮術を受けた体験談
日本での便潜血陽性をきっかけにアメリカで大腸カメラを受け、いぼ痔（内痔核）と診断されました。
医師から勧められたrubber band ligation（ゴム結紮術）に不安はありましたが、処置は数分で終了。
想像以上に痛みが少なく驚きました。
麻酔ジェルが使われ、引っ張られるような違和感はあったものの、帰宅後も痛み止め不要。
術後も大きなトラブルはなく、出血が減ったことで受けてよかったと感じています。
ただ、アメリカでは説明やアフターケアが簡潔な傾向があります。
英語での質問準備や便通管理など、自分で事前に情報を確認しておくことが安心につながると実感しました。
アメリカでいぼ痔の治療を受けた実体験を詳しく紹介しているので、参考になれば幸いです。
医療費・保険の支払いはどうなったか
アメリカでは診察後すぐに全額を払うのではなく、病院が保険会社に請求したあとで精算されるのが一般的。
しばらくして「保険が負担した額」と「本人の自己負担額」が書かれた説明書が届きます。
その自己負担分を患者が支払います。
ただ、医療費や自己負担は、加入している保険や会社の制度によって大きく違います。
わが家の場合は、夫の会社経由で日本生命の海外医療保険に加入しています。
アメリカ側の保険でカバーされず自己負担として請求された分は、基本的に会社が負担してくれる契約です。
そのため、請求書は届くものの、実際には会社へ提出するだけで済むケースがほとんどです。
ありがたいことに、個人として大きな出費をすることは多くありません。
読んでくださっている方の勤務先や保険内容によっては自己負担が大きくなることもあります。
渡米前に『自己負担はいくらまでか』『請求書が来たらどうするか』を会社・保険会社に確認しておくと安心です。
これからアメリカで受診する人へのアドバイス・持って行くと安心なもの
最後に、これからアメリカで受診する人に向けて、準備しておくと安心なポイントをまとめます。
アメリカで受診を始める前に、保険の適用範囲と自己負担額を再確認しておくと安心です。
診察時は保険証・写真付きIDを必ず持参し、予約時の注意点を事前に確認しましょう。
緊急時の連絡先（保険会社、現地医療機関、家族）を一覧化して携帯に入れておくと心強いです。
持ち物は、保険請求に必要な書類のコピー、医療メモ（既往歴・服薬情報・アレルギー）、現地通貨・クレジットカード、
そして翻訳アプリを準備しておくとスムーズです。
受診後は請求内容を家族と共有し、わからない点は遠慮なく保険窓口へ問い合わせましょう。
状況次第で自己負担は大きく変動します。
渡米前に『自己負担の上限』や『請求書が来たときの手続き』を会社・保険会社に確認しておくことをおすすめします。
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